月の贈りもの


定期購読している料理雑誌の企画に応募して購入した「月の贈りもの」というチーズです。
北海道の「十勝新得共働学舎」で作られたチーズを静岡にあるフレンチレストラン「ジャンティ」の熟成庫で熟成したもの。
国産チーズでは唯一の(?)穴あきチーズらしい。この穴とは「チーズアイ(チーズの目)」と呼ばれ、チーズフォンデュの材料やトムとジェリーに出てくるチーズとして有名なスイスのチーズ「エメンタール」などに見られるもので、プロピオン酸菌(エメンタールは)という微生物の働きによりできるものです。ただ今まで僕が見てきたヨーロッパのチーズでもここまで大きく多くのチーズアイがあるものは無かったので、とても驚きました。
固さはセミハードくらいの少し弾力のある固さ。
肝心の味はというと、とにかくミルクの甘みとコクが凝縮されたような印象、良質のミルクを使用している証拠。そして、かすかにナッツのような風味を感じるので、ヨーロッパのチーズに例えるならフランスの「コンテ」の若い(熟成期間の短い)ものに似ているように思いました。そのまま食べても美味しく、火を入れるとトロっとしてこれもまた美味しいです。一昔前までは国産のチーズというと本場ヨーロッパのチーズにはやはり劣るような印象がありましたが、このチーズはその概念を覆されたように思います。チーズの作り手の努力を感じます。