モンブラン・ムース・ショコラ


断面写真
NHKのディレクターさんから最終的に撮影時の製作依頼されたのは「モンブラン」でした。しかし普通のモンブランはマロンクリームの中身は「クレーム・シャンティ(ホイップクリーム)などで、工程的に考えた場合撮影してもあまり面白くなさそうと勝手に僕が判断(笑)中身を工程的に難しくさまになる(?)チョコレートムースにしようと考えました。土台は普通、「ジェノワーズ(共立てスポンジ)」やタルト系が多いが、そこも一工夫、最近自分の中でもハマっている「シュトロイゼル」に。しかし、ここで一つ問題が中身をムースにするのはいいが、ムースは冷凍しないと最後の組み立てが出来ない。撮影時間が限られた状況の中、その日に作ってそのまま完全に冷凍することは業務用急速冷凍機でもないかぎり一般家庭では無理。ということで、昨日の夜に組み立て用のムースと土台を仕込み冷凍しておいた。いわゆる、よく料理番組で煮込み時間後ということでもう一つ鍋が出てくるのと同じことです(笑)だから、撮影当日と含めて全く同じ作業を2回行ったわけです(笑)

さて、肝心の作り方ですが…まずは「シュトロイゼル」作りから①粉類(アーモンドパウダー、薄力粉)とキビ砂糖をふるって混ぜて、冷やしておいたバターを手でちぎりながら入れる(この際手を氷で冷やし薄手のゴム手袋を使用すると作業しやすい)。バターと粉を手ですり合わせてそぼろ状にして冷凍。②冷凍しておいた①をセルクルに敷き詰め、上に塩・コショウを少量振ってから160℃のオーブンで25分焼いて冷ます。③②を丸く型抜きする。

次は「ムース・ショコラ(アングレーズソース)」①湯煎でクーベルチュールを溶かし40℃にしておく。②生クリームを8分立てに泡立てる。③卵黄と砂糖を軽く泡立てる程度に混ぜておく(後で熱い牛乳と生クリームを入れたときに気泡がクッションになって卵黄が固まらない)。④牛乳と生クリームを鍋に入れ沸騰直前(鍋の周囲にふつふつとするくらい)まで温める。⑤③を混ぜながら④を加える。⑥⑤を再び鍋に戻し、鍋底を常にへらで混ぜながら中火で加熱し、84〜86℃になったら火から下ろし、漉しながらボウルに入れ保温する。⑦①が40℃になっているのを確認し、温かい⑤を少し入れボウルの底を泡立て器でこするように混ぜ、さらに少量⑤を入れると完全に分離するが混ぜ続け更に⑤を入れると乳化する。乳化したら残りの⑤を加え混ぜる。⑧⑦に②を入れゴムベラで切るように混ぜれば完成。

組み立て①…①シリコン型(ドーム型)に「ムース・ショコラ」を型の7〜8分目くらいまで絞り入れる。②丸く抜いた「シュトロイゼル」を上の面が下になるように①の真ん中に入れ、シリコン型ごと冷凍庫に入れ完全に冷凍する。

次は「マロンクリーム」…①市販のマロンペーストをボールに入れ、ラム酒を加えヘラで混ぜて柔らかくする。②室温で柔らかくしておいた発酵バターを①に加え均質になるように混ぜ合わせれば完成。

組み立て②…①シリコン型に入れて冷凍しておいた「ムース・ショコラ」を取り出し、「マロンクリーム」をモンブラン用口金を付けた絞り出し袋に入れて、「ムース・ショコラ」の上から絞り出す。2往復ずつくらい十字に。②はみ出したりした余分な「マロンクリーム」を取り除き、冷蔵庫に入れ。「ムース・ショコラ」が解凍できたら完成。

味の方はというと…「マロンクリーム」の栗とラム酒の香りに、「ムース・ショコラ」の滑らかな口溶け、濃厚で芳醇なカカオの香り(今回クーベルチュールに、ミシェルクルイゼル社の「アシエンダ・コンセプション」を使用)がなんとも贅沢。そこに「シュトロイゼル」の食感とバターの風味、そして塩味が全体にコクを与えてくれている。自分にとっても初の組み合わせだったが、かなりレベルの高いものになったと思う。
『見た目:5 食感:5 味:4』

にほんブログ村 スイーツブログへ 
ファイブスタイル ブログランキング

↑ランキングに参加しています。こちらをポチっとお願いします♪
(クリックすると1票入る仕組み、ページにジャンプするだけです。